放射性医薬品とは
流通形態
実施件数
放射性医薬品基準解説書
放射性医薬品とは、ラジオアイソトープ(RI:放射性同位元素)を使用した医薬品で、薬事法により厚生労働大臣から製造販売を承認された薬です。直接人体に投与し、体外から特殊な装置で放射性同位元素が放出する微量の放射線を測定するもの(体内診断用放射性医薬品)と、直接人体には投与せず、血液及び尿中に含まれる微量の物質を体外で測定するもの(体外診断用放射性医薬品)があります。
「放射性」という言葉のイメージから、安全面を心配する声も聞かれますが、体内診断用放射性医薬品に使用されるRIは半減期(放射線の量が半分になる時間)が短く、比較的エネルギーが低いため、放射線の影響は胃のX線検査と同程度です。また、放射性医薬品の使用に際しては、医療法等により安全に管理するための規則が定められ、それらの規則を遵守できる医療機関(約1260施設)で使用されています。
体内診断用放射性医薬品は、一般的に使用されるくすりの量が治療用の医薬品と比べはるかに少ないため、人体への負担が少ない(非侵襲的)検査ができます。体内診断用放射性医薬品の特徴は、投与された微量のアイソトープが病気の部位に特異的に集まる(或いは集まらない)状態を、それらの部位から放出される放射線を検出することにより画像にできることです。このような画像は、人体の形態的構造の変化を画像化する他の画像診断(CT、MRI)とは異なり、代謝など、臓器・組織の機能の状態について情報を得ることが出来ます。
体外診断用放射性医薬品は、患者さんから採取した血液や尿の中に含まれている、ごく微量の物質を測定する放射性医薬品です。採取した血液や尿を用いて検査を行いますので、患者さんの体への被ばくは全くありません。体外診断用放射性医薬品の長所は、感度が良く、目的物質を単離精製することなく定量が行えることです。従って、微量かつ精製の困難な体内物質の測定に適しているといえます。
また、治療では1960年代から放射性医薬品を用いた甲状腺疾患の治療が行われていますが、さらに新しい治療用放射性医薬品の開発も進んでおり、近い将来利用可能になると思われます。
放射性医薬品を使用する核医学検査は、患者さんへの負担が少なく、且つ、高感度な診断方法として、効率的な医療に貢献することができます。
Copyright(c)2003.JRPA. All rights reserved.